ロストワックスを使ったジュエリーの作り方

ロストワックス技法によるシルバーアクセサリーの作り方や、ジュエリー作成の基本となる手順やポイントについて解説します。 地金を使った彫金技法にも共通する部分があるので、彫金でシルバーアクセサリーやジュエリーを作る人にも参考になると思います。

ロストワックスを必要な大きさに切り分ける

リングを作りたい場合は、リング作成用のチューブワックスから糸鋸を使って必要な長さを切り取ります。 ペンダントを作る場合は、塊のブロックワックスから必要な量を切り出しましょう。 糸鋸に取り付ける刃は、目詰まりしにくいワックス用の鋸刃を使いましょう。 大きいブロックワックスを買っておいたほうが割安です。

ロストワックスを使ったジュエリー作りに慣れていない初心者は、 小さく切り分けてある程度形になっているワックスを彫金道具店などで買うとよいでしょう。 これらのワックスを買えば、あとは彫刻刀などで外形を削るだけですし、いろいろ道具を買わなくて済むので手間は省けます。 とりあえず試しにやってみるにはいいかもしれません。

チューブやブロックから切り取ったワックスはヤスリで切り口を平らに整えておきます。 ワックス用の荒目の平ヤスリがあればよいでしょう。 リングを作る場合は、ワックス用のリングリーマーを使ってチューブワックスの内径を目的のサイズまで削って拡げておきます。

造形する

ワックスを切り分けて切り口を整えたら、彫刻刃やスパチュラ、各種ヤスリなどで削って造形していきます。 ロストワックス初心者は、彫刻刀やスパチュラの一式セットのものを買っておけばよいと思います。 ワックス用のヤスリは大きさと形が色々あり、作るものによって使うものが違ってくるので、 これを買っておけばよいというものは一概には言えませんが、 最初は5本組か10本組の平と甲丸、シノギや三角あたりの中目を買えば無難でしょう。

ロストワックスを使ったシルバーアクセサリー作りやジュエリー作成に慣れてきたら、 リューター(ルーター)という電動で動くハンドモーターと、先端につけるポイント(ビット)を購入しましょう。 リューターはロストワックスを削って造形するだけでなく、磨きの仕上げにも使えるので便利ですし作業もはかどります。

市販のシルバーアクセサリーやジュエリーには表面に細かい模様を彫ってあるものがありますが、 そういうものを作るにはロストワックスが適しています。 ワックスの表面に模様などを彫る場合は、使う道具の刃を耐水ペーパーや砥石でよく砥いでおきましょう。 刃が滑らかでないと削り跡もガタガタになってしまいます。

ロストワックス同士を接合する

ロストワックスを削って造形をしていると、失敗して削りすぎた箇所を修復したい時や、 別々に作っておいたパーツ同士を接合したい時があります。 ロストワックス同士をくっつけるには主に2通りの方法があります。

瞬間接着剤でつける

小さいパーツをつけたい時や接合面積が小さい時などに使う方法です。 瞬間接着剤はつけてしまうとすぐ乾いて動かせないのが難点なのと、衝撃に弱いので何かの拍子にとれてしまうかもしれません。 瞬間接着剤でつけた隙間は、融点が低く後始末がしやすいスプルーワックスなどを使って塞いでおくとよいでしょう。

熱で融かしてつける

接合面積が広かったり力がかかる場所などは、 接着部分のハードワックス同士を熱で融かしてしっかりつけておきましょう。 ロストワックスの融けた部分は凹むので、接合箇所には多めにワックスを盛り付けておいて、 冷えてワックスが固まったら余分をヤスリなどで削り取ることになります。

裏抜きをする

形が出来たらすぐ鋳造してもいいんですが、 ロストワックスを使ったジュエリー作成に慣れてきたら、見えない部分の余分なワックスを削り取る「裏抜き」をやってみましょう。

ワックス全体の厚みが均一な方がシルバーアクセサリーやジュエリーになった時に仕上がりがキレイですし、 裏抜きをすることで鋳造(キャスト)コストを抑えることができます。 リングを作る場合は、指に当たる部分を裏抜きしておくと圧迫感を減らすことができて、着け心地がよくなります。

ロストワックスを裏抜きした箇所の厚みは1〜1.5mmあたりまでがよいと思います。限界まで薄くして0.6mmぐらいです。 それ以下まで薄くなると鋳造の時に地金が流れないこともあります。 先端が丸くなっているワックス用のスプリングゲージでマメに厚みを測りながらやれば失敗も少ないです。

表面を滑らかに仕上げる

ロストワックスを鋳造(キャスト)する前に、耐水ペーパーをかけてなるべく表面を滑らかに仕上げておきましょう。 そうすれば鋳肌の荒れや「」が入ることを防げますし、キャスト後の仕上げにかかる手間も減らすことが出来ます。 耐水ペーパーを400〜1000番くらいまで適宜使い分けてかけたあと、ストッキングでワックスの表面を磨けばかなり光沢が出ます。

鋳造して仕上げる

ワックスを鋳造後に磨いて仕上げればシルバーアクセサリーやジュエリーとして完成です。 鏡面などの仕上げに関しては、また別のページで取り上げます。

以上がロストワックスを使ったシルバーアクセサリー作りやジュエリー作成の基本的な流れです。

<彫金に必要なジュエリー作りの道具
スパチュラの使い方>

シルバーアクセサリー作りの大敵、火むらについて

シルバーアクセサリーの表面に析出するシミのようなもの。ファイヤースケールとも言われます。